引っ越しをするときには、家具や家電の荷造りで頭がいっぱいになってしまうかもしれませんが、インターネット手続きも避けられません。
引っ越しを検討する段階になって「そもそもインターネットの手続きはどうすればよいの?」「今までと同じプロバイダーを使える?」「もっと安いプロバイダーはある?」など、さまざまな疑問が生じてきます。
引っ越しをしてからインターネットが使いづらくなってしまうケースも少なくありません。いずれにせよ、引っ越し後に快適な通信環境を利用できるようにするためには、インターネット契約に関して理解を深めておくことが大切です。
今回は、引っ越しで通信環境の準備はどうすればよいのかがわかるよう、プロバイダーや回線事業者の意味からおさらいしつつ、インターネットの手続きや料金、注意点などを解説していきます!
引っ越し前にインターネット手続きの不安を解消したい方はぜひチェックしてみてくださいね。
引っ越し前に知っておきたいインターネットに関する基礎知識
インターネットに関する用語が理解できていないと、契約のときに混乱してしまう恐れがあります。スムーズに引っ越し手続きを進めるためにも、インターネットの基礎知識を押さえておきましょう。
早速、インターネットに関する基礎知識を解説していきます!
プロバイダーの意味
プロバイダーは、自宅とインターネットを回線でつなげる接続事業者です。回線はプロバイダーまでの通信ルートであり、最近では光回線が主流になっています。
自宅でインターネットを使えるように通信環境を整備するのが、プロバイダーの役割です。
プロバイダーの業務は回線接続だけではありません。メールアドレスの発行やホームページを公開するWebサーバーの提供などのサービスも提供しています。
なお、利用しているインターネット回線によって、対応しているプロバイダーが異なることがあります。
回線業者の意味
回線業者は、インターネット接続に必要な回線を提供する業者です。世界にインターネットが広がっていても、自分の家につながる回線がなければ、データを受信できません。
インターネットに接続したプロバイダーが保有するサーバーに、自宅のデバイスからアクセスできる回線を提供するのが回線業者の役割です。
回線業者の種類は下記の通りです。
種類 | 内容 |
---|---|
光回線業者 | 光回線を敷設・管理する回線業者 |
ケーブルテレビ事業者 | CATV回線を提供する回線業者 |
無線回線業者 | WiMAXやLTEといった無線接続回線を提供する回線業者 |
一般的には有線だけでなく、無線の回線を提供する業者も回線業者に含まれるようです。
光コラボの意味
光コラボ(光コラボレーション)は、NTT東日本とNTT西日本が、プロバイダーや携帯キャリアといった事業者に光回線を提供するサービスモデルです。光回線を広く普及させるため、2015年2月から他社に販売されるようになりました。
光回線を提供された事業者は光コラボ事業者といわれます。光回線と自社サービスを組み合わせてオリジナルサービスを提供するのが一般的です。なお、NTT東西が提供するフレッツ光は光コラボではありません。光コラボ事業者が消費者と契約を行います。
フレッツ光をすでに利用している消費者が、光回線をそのままに新たな工事をせず、光コラボ事業者と契約する手続きは転用といわれます。転用の場合は、フレッツ光の契約が解約となり、契約先がNTT東西から光コラボ事業者に変更される決まりです。
引っ越しするときは現在のインターネット契約を確認してから手続き!
引っ越しをするときにはまず、現在のインターネット契約を確認しましょう。現在のインターネット契約によって引っ越し時の対応が異なるからです。
自宅にインターネット環境が整備されている場合、プロバイダーと回線事業者の両方と契約をしています。
セットで契約している場合はプロバイダーに一括の移転手続きをお願いできますが、個々に契約している場合は各事業者で手続きが必要です。
引っ越し先でも現在と同じプロバイダー・回線業者を継続して利用する場合は、それぞれに契約の継続ができるかどうか問い合わせをしましょう。
継続利用できれば比較的簡単に手続きを済ませられるほか、解約料が発生しないのが気軽です。引っ越し時の負担をできるだけ減らしたい方は、インターネット契約の継続を検討してみるとよいかもしれません。
ただ人によっては、移転費用が高く感じる場合や、現在のインターネット環境に不満を持っている場合もあります。その場合は、引っ越しの準備で慌ただしくなる前から、余裕を持って新規契約先を探しておくのが無難です。
引っ越しにおけるインターネット開通までの流れ
引っ越しにおけるインターネット開通までの流れについて、ビッグローブのケース(コース:ビッグローブ光)を確認してみましょう。
ユーザーIDや契約者氏名、登録している電話番号、現在の回線設置住所、引っ越し先の回線設置住所をまとめておきます。マイページやBIGLOBE会員証などからも確認することが可能です。
転居先が決まったら、引っ越しの1か月~2か月前を目安として、BIGLOBEに回線移転を申し込みます。
NTT東西の担当者が、光ファイバー撤去工事のために旧居を訪問するので、立ち会いに参加します。自宅の環境によっては、工事が不要な場合や担当者が訪問しない工事もあるようです。
NTT東西の担当者が、光ファイバー導入工事のために新居を訪問するので、立ち会いに参加します。自宅の環境によっては、工事が不要な場合や担当者が訪問しない工事もあるようです。
BIGLOBE会員証と回線事業者から受け取ったマニュアルを確認して、インターネットの接続設定を行います。
BIGLOBEに登録された住所・電話番号について変更の手続きをします。マイページの「お客様情報」を更新します。
引っ越しでほかのプロバイダーに変更する場合の手続き方法
プロバイダーによってインターネットに関するサービスが異なります。引っ越しを機にほかのプロバイダーに変更したいときもありますよね。
現在利用している光コラボ事業者について、プロバイダーを変更できるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
結論として光コラボ事業者によっては、プロバイダーの変更を受け付けていることがあります。
たとえば、ドコモ光はプロバイダー契約と回線事業者の契約が一体型のサービスを提供しており、プロバイダーだけを変更することが可能です。
参考にドコモ光の場合におけるプロバイダー変更手続きの流れをご紹介します。
専用ページにドコモ光が対応しているプロバイダーリストが掲載されているので、変更先のプロバイダーを検討しましょう。
ドコモ光と提携しているプロバイダーに変更するときは、手続きパターンによって必要となる必要が異なります。
たとえば、タイプAに分類されているプロバイダーからタイプBに分類されているプロバイダーに変更するときは事務手数料3,300円(税込)を支払う決まりです。手続きに応じた費用を確認しましょう。
ドコモの携帯電話契約内容を確認してもらうので、ネットワーク暗証番号が求められます。なお、本人確認書類は不要であり、口頭で本人確認が行われます。
なお、ドコモの携帯電話契約がない場合は、契約ID等によって本人確認が行われるとのことです。
ドコモインフォメーションセンターに電話して手続きをする方法があります。受付時間は午前9時から午後8時です。
また、最寄りのドコモショップ/d gardenで手続きをする方法もあります。受付時間は各店舗の営業時間内です。
引っ越しにおいて現在のプロバイダー・回線を解約する際の手続方法
現在のプロバイダー・回線を解約する際の流れを知るために、実際の事業者が提示している解約手続きをまとめてみます。
たとえば、プロバイダー・回線が一体型サービスとなっているSoftBank光の解約手順は下記の通りです。
手続きに関して、連絡したあとに解約をしてもらえる期間や、解約後にインターネットが利用できなくなること、契約解除料の有無などを確認します。
回線撤去をするための立ち会い希望日を伝えます。すでに引っ越し済みで立ち合いが難しい場合はオペレーターにその旨を共有します。
希望する内容に適した窓口で解約手続きを進めます。
インターネットの利用にともないレンタルしていた機器を指定の返却先に返却します。返却しないと違約金の支払いが発生する恐れがあるので注意してください。
不明点があれば問い合わせをする
SoftBank光では、解約手続きについて不明点や相談したいことをチャットで問い合わせを受け付けていました。
SoftBank光に限らず、引っ越しでインターネットを解約するときに困ったことがあれば、契約先にひとまず問い合わせてみましょう。
引っ越しにおけるインターネット契約手続きに関する気になるQ&A
引っ越しでインターネット手続きをするとき、気になることがたくさん生じてしまいがちです。たとえば「これまでの契約を解約しないとどうなる?」「インターネット手続きはいつ行うべき?」などいろいろな疑問がありますよね。
ここでは、引っ越しに関するインターネット契約手続きの疑問点について、Q&A形式でお答えしていきます!
引っ越し前に把握しておきたい主なプロバイダーサービスと月額料金
引っ越し前にインターネット環境を見直すとき、プロバイダーのサービスと料金が気になる方もいますよね。ただ、たくさんのプロバイダーがあることから、引っ越しが近いとリサーチする時間が不足してしまいがちです。
そこで、引っ越し前に把握しておきたい主なプロバイダーサービスと料金を表にまとめてみました。プロバイダーのサービスと料金をサクッと確認したい方はぜひお役立てください。
プロバイダー | サービスの特徴 | 月額料金 |
---|---|---|
So-net光プラス | 最大1Gbpsの高速通信を制限なしで利用可能 | マンション:4,928円(税込) 戸建:6,138円(税込) |
GMOとくとくBB光 | 料金プランがシンプルで迷いづらい | マンション:4,290円(税込) 戸建:5,390円(税込) |
@nifty光 | IPv6接続で地域や時間帯の影響を抑えて通信できる | ホームタイプ:5,720円(税込) マンションタイプ:4,378円(税込) |
ぷらら光メイト with フレッツ | セキュリティーサービスが最大24か月無料 | ホームタイプ:5,830円(税込)~ マンションタイプ:4,015円(税込)~ |
BIGLOBE フレッツ光コース | インターネットの設定を無料でサポートしているので初心者にピッタリ | ファミリータイプ:1,320円(税込)~ マンションタイプ:990円(税込)~ |
AsahiNet光 | 3年目以降の利用者に向けて「かんしゃ割」を提供 | ファミリーコース:5,698円 マンションコース:4,488円 |
OCN光with フレッツ | 現在のプロバイダーメールをそのまま使うことも可能 | ファミリータイプ:5,940円(税込)~ マンションタイプ:4,015円(税込)~ |
BB.excite光Fit | 最低利用期間0年で解約事務手数料もなし | ファミリー:3,520円(税込)~ マンション:2,640円(税込)~ |
hi-ho ひかり | 電話サービスや映像サービスなどオプションが充実 | ファミリーコース:4,785円(税込) マンションコース:3,575円(税込) |
DTI光 | スタート特典でWi-Fiルーターをプレゼント | ファミリータイプ:3,960円(税込) マンションタイプ:2,640円(税込) |
引っ越しのときに検討したいモバイルWi-Fiルーターサービスと料金
引っ越し後のライフスタイルによっては、モバイルWi-Fiルーターサービスが役立つこともあります。
モバイルWi-Fiルーターサービスは、インターネット接続環境を気軽に整備できる小型で軽量な通信端末です。パソコンやスマートフォン、タブレットなどを接続して、室内だけでなく室外でもインターネットを利用できます。
引き続き、引っ越しのときに検討したいモバイルWi-Fiルーターサービスと料金についてまとめていきます!
サービス名 | 内容 | 月額料金 |
---|---|---|
GMOとくとくBB WiMAX | 下り最大2.7Gbpsのハイスピード通信 | 3,553円(税込)~ |
楽天モバイル(Rakuten WiFi Pocket) | スタイリッシュで携帯しやすい機器 | 1,078円(税込)~ |
AiR WiFi | 業界最安級かつ大容量100GB | 3,278円(税込)~ |
モンスターモバイル | 最短即日で発送してもらえる | 1,980円(税込)~ |
THE WiFi | 利用容量に応じて料金が変動するプランを用意 | 1,298円(税込)~ |
どこよりもWiFi | 解約時の料金が一切なし | 3,058円(税込)~ |
Mugen WiFi | 初月30日間はお試しで全額返金に対応 | 3,328円(税込)~ |
hi-ho Let’s WiFi | 手続きなしで海外でも利用可能 | 4,730円(税込)~ |
ゼウスWi-Fi | データ容量を追加で購入できる | 2,508円(税込)~ |
BroadWiMAX | 地下鉄や地下街、空港などエリアを拡大中 | 1,397円(税込)~ |
引っ越しにともなうインターネット手続きにおける注意点
インターネット環境は、引っ越しで家財を運ぶように、単純な移設ができません。面倒な手続きが必要になったり、環境の変化によるトラブルが発生したりすることも…。
引っ越しにともなうインターネット手続きにおける注意点を解説していきます!
光回線工事をする場合は物件の関係者にも確認する
引っ越しにともないインターネット環境を開設する場合、光回線工事が必要なケースもあるとお伝えしました。ただし、光回線工事には注意点があります。
たとえば築年数の古い物件だと、新たに工事をして穴をあけることがあります。その場合、オーナーや管理会社に工事をしてもよいか確認をしなければなりません。
建物から電柱が遠いと光ファイバーを引き込みできないこともあるようです。物理的に工事できない場合は、固定回線以外の方法でインターネット環境を整備する必要があります。
引っ越し後にスムーズにインターネットを利用したいのであれば、なるべく早い段階で物件の関係者に回線工事の可否を確認しておきましょう。
引っ越し先でインターネット速度が低下することもある
引っ越し後にインターネット速度が遅すぎて困ることがあります。
たとえば、利用エリアによっては夜間にアクセスが集中しやすくなり、回線の混雑によってインターネット速度が低下することがあるようです。
また、引っ越しを機に回線設備が変わってスペックが低くなると、インターネット速度が低下してしまうこともあるようです。
インターネットの回線サービスは、契約料金を引き上げることで、速度を高速にできることがあります。引っ越し後にインターネットを快適に楽しみたい場合は、契約の見直しも検討してみるとよいかもしれません。
そのほか、インターネットの接続に古い規格のLANケーブルを用いてしまっていることが、速度低下の原因になっている場合もあります。引っ越しは、普段いじらないインターネット環境が変わる機会です。異変を感じたら接続環境も見直してみましょう。
まとめ
今回は、引っ越しで通信環境の整備をスムーズに進めるために、インターネットに関するプロバイダーの意味や手続き、料金、注意点などについて解説しました。
プロバイダーとは、自宅とインターネット回線をつなげる接続事業者であり、回線事業者はインターネット接続に必要な回線を提供する業者です。
最近では、NTT東日本とNTT西日本がプロバイダーに光回線を提供するビジネスモデル(光コラボ)が主流となりつつあり、日常生活でインターネットを利用するときは光コラボ事業者と契約するケースが多くなりました。
引っ越しをするときには、現在のインターネット契約状況を確認して、プロバイダーや回線事業者へ移転手続きについて問い合わせます。継続利用できる場合は手続きが比較的簡単なので、引っ越し時の負担も減らしやすいです。
転居先が決まったら、引っ越しの1か月~2か月前を目安に回線移転を申し込みます。解約する場合は、回線撤去のために立ち会いが必要となります。違約金が発生しないように、機器を指定の返却先に返却しましょう。
引っ越し後には通信環境が変化することから、アクセスの集中や回線設備のスペック低下などによって、インターネット回線速度が下がることもあります。配線方法によっても速度が低下することもあるようです。異変を感じたら配線環境を見直してみるとよいかもしれません。