一人暮らしの引越しや新生活は、家賃や初期費用、家具・家電など、何かとお金がかかります。
しかし、物件選びや契約方法、支払いの工夫次第で、初期費用を10万円以上、生活コストを毎月5,000円〜1万円以上抑えることも可能です。
ここでは、無理せず快適にスタートできる節約の具体策を5つ紹介します。
① 敷金・礼金ゼロ物件やフリーレントを活用する
賃貸契約の初期費用の中でも大きな負担となるのが、敷金・礼金・仲介手数料です。
通常、これらを合わせると、家賃の3〜4ヶ月分(約20〜30万円)が必要になります。
しかし、最近では「敷金・礼金ゼロ物件」や「フリーレント(家賃無料期間付き)」など、初期費用を大幅に抑えられる物件が増えています。
敷金・礼金ゼロ物件とは、敷金とは、退去時の原状回復費用や未払い家賃を担保するために預けるお金。礼金は、貸主への“お礼”として支払う慣習的な費用(返金されない)です。
つまり、どちらも「住み始める前に一度きり払う費用」であり、家賃とは別にまとまった金額が必要になります。
パターン別の総額シミュレーション(家賃7万円)
| パターン | 構成 | 概算総額 |
|---|---|---|
| A. 一般的(敷1・礼1/仲介1.10ヶ月/前家賃1.5ヶ月) | 敷7万+礼7万+仲7.7万+前家賃10.5万+保1.5万+保険会社3.0万+鍵2.0万+その他1.5万 | 約38.4万円 |
| B. ゼロゼロ(敷礼0/仲介0.55ヶ月/前家賃1.5ヶ月) | 敷0+礼0+仲3.85万+前家賃10.5万+保1.5万+保証3.0万+鍵2.0万+その他1.5万 | 約22.5万円 |
| C. ゼロゼロ+フリーレント1ヶ月(前家賃0想定/仲介0.55ヶ月) | 敷0+礼0+仲3.85万+前家賃0+保1.5万+保証3.0万+鍵2.0万+その他1.5万 | 約12.0万円 |
物件や時期によって条件は異なりますが、通常だと賃貸契約を結ぶと敷金・礼金・仲介手数料で家賃の3〜4ヶ月分発生しますが、フリーレントや敷金、礼金ゼロの賃貸を選ぶことで上記のように、契約金に差がでてきます。
ただし、人気のエリアや繁忙期にはフリーレントや、敷金礼金ゼロのような好条件の物件は限られてくるため、自分の譲れないポイントをしっかりと見定めて、検討することが必要となってきます。
② 仲介手数料の交渉・分割払いの活用方法
賃貸契約時に支払う「仲介手数料」は、不動産会社が物件を紹介・仲介したことへの報酬です。実はこの金額、宅地建物取引業法によって「上限:家賃1ヶ月分+税」と定められています。
つまり、7万円の家賃なら上限は 7.7万円(税込)。これ以上を請求された場合は、法的には支払い義務がありません。
ところが現実には、不動産会社ごとに設定が異なり、先に解説をした敷金礼金ゼロと同じように、仲介手数料に関しても「半額(0.5ヶ月分)」や「無料キャンペーン」を行っている店舗も増えています。この差を上手に活用することが、初期費用を抑える大きなポイントです。
仲介手数料の相場と節約効果
| 家賃 | 手数料(満額) | 手数料(半額) | 節約額 |
|---|---|---|---|
| 6万円 | 約6.6万円 | 約3.3万円 | 約3.3万円の差 |
| 7万円 | 約7.7万円 | 約3.85万円 | 約3.85万円の差 |
| 8万円 | 約8.8万円 | 約4.4万円 | 約4.4万円の差 |
特に「仲介手数料半額」や「キャンペーン0円」の物件を選ぶと、初期費用を約15〜20%圧縮できるケースもあります。
交渉のコツ|“正しい言い方”がポイント
仲介手数料は単に「安くしてほしい」と伝えても通りにくいですが、以下のように相見積もりを前提にした伝え方をすると成功率が高くなります
「同じ物件を〇〇不動産さんでは仲介手数料半額で紹介されました。
もし御社でも同条件にしていただけるなら、ここで契約したいです。」
このように具体的な他社比較を出すことで、現実的な交渉になります。
クレジットカード払いや分割払いの活用で支払い負担を軽減
最近は、多くの不動産会社で「クレジットカード払い」や「分割払い対応」が可能になっています。現金一括ではなく、カード決済にすることで以下のメリットがあります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 支払い時期を後ろ倒しできる | クレジット決済なら引き落としは翌月〜翌々月。引越し直後の出費を緩和。 |
| ポイント還元が受けられる | 楽天カード・三井住友カードなどなら1〜2%還元。家賃7万円で700〜1,400pt獲得。 |
| 分割・リボ払いが可能 | 「3回払い」などにすれば、初期費用を3ヶ月に分散可能。 |
| 家計管理がしやすい | 家計簿アプリとの連携で支出の可視化が簡単。 |
注意点としては、一部の小規模仲介業者では、カード払いに「決済手数料(2〜3%)」が上乗せされることがあります。事前に「総額」と「支払い方法」を書面で確認しておくのが安心です。
③ 家具・家電を中古やリユースで節約する
一人暮らしを始める際、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・ベッドなどの家具・家電費用は、新品でそろえると平均20〜30万円前後かかります。
しかし、すべてを新品で買う必要はありません。
近年はリユース市場やサブスク型レンタルの普及により、中古でも品質が高く、保証付きで安心して使える製品が増えています。
上手に選べば、初期費用を10万円以上節約できることも珍しくありません。
リユース・中古を選ぶときのポイント
① 整備済み・保証付きの商品を選ぶ
「動作確認済み・クリーニング済み」と記載された商品が安心。
中古ショップの多くは3ヶ月〜6ヶ月保証を付けています。
② 製造年・型番を確認
家電は製造3年以内を目安に。古いと電気代が高くつくことも。
③ 配送料・設置料をチェック
中古は「本体価格が安くても送料が高い」ケースあり。
近隣店舗の店頭受け取りやまとめ買い配送を活用すると◎。
④ 買いすぎない
最初から全てそろえるより、「最低限から生活しながら買い足す」のが賢い選択。
無料・格安で入手する方法
| 方法 | 特徴 | 目安価格・条件 |
|---|---|---|
| 地域の譲渡掲示板(ジモティーなど) | 地元で直接受け渡し、無料〜数千円で取引可能 | 無料〜5,000円前後 |
| 大学・企業の掲示板 | 引越しシーズンに出品多数、早い者勝ち | 無料または格安 |
| リサイクルショップの「新生活応援コーナー」 | 家電3〜5点まとめ割あり | 5点セットで5〜7万円 |
| 自治体のリユースバンク | 回収品の再販売、品質が安定 | 商品によって異なる |
最近では、地元コミュニティや自治体が主導するリユースの仕組みが整っており、状態の良い家具・家電をほぼタダで入手できるチャンスも増えています。
まず注目したいのが、地域の譲渡掲示板(ジモティーなど)。地元住民同士で不要になった家具や家電を直接受け渡しできるため、配送費がかからず、無料〜数千円で取引できることが多いのが魅力です。
特に引越しシーズン(2〜4月)は出品数が増えるため、こまめにチェックしておくと掘り出し物が見つかります。
学生の方であれば大学の掲示板などで、「引越し前に譲ります」という投稿されることもあり、無料または格安で家具・家電を譲ってもらえるケースもあります。タイミングが重要なので、3月や9月など入れ替わり時期を狙うのがコツです。
また、リサイクルショップの「新生活応援コーナー」では、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどの家電を3〜5点セットで5〜7万円前後にまとめ買いできることがあります。
新品をそろえるよりも10万円以上安く、さらに整備済み・保証付きで安心です。
④ 引越し費用を比較して安く抑えるコツ
引越し費用は、同じ荷物量・同じ距離でも業者によって2万〜3万円以上の差が出ることがあります。その理由は、引越し業者がそれぞれ異なる「人件費・トラック台数・繁忙期スケジュール」で料金を設定しているからです。
つまり、需要のタイミング次第で料金が大きく変動します。そのため、複数の業者に見積もりを取って比較することが、最も確実に「安く抑える方法」なのです。
さらに安くする5つのコツ
① 平日・午後便を選ぶ
土日祝は引越し需要が集中するため、同じ距離・荷物量でも午前便の方が高額になる傾向 があります。
午後便やフリー便(時間指定なし)は、業者のスケジュールに合わせて柔軟に動けるめ、5,000〜10,000円安くなることが多いです。
特に「退去日と入居日が同じ日」でない場合は、午後便+平日指定が最もコスパの良い選択肢です。
② 繁忙期(2〜4月)を避ける
2〜4月は新生活シーズンで、引越し件数が通常期の約2倍に増加します。
この時期は予約が早く埋まり、料金が通常期の1.3〜1.6倍に跳ね上がるのが一般的。
一方で、5〜8月や9〜11月は需要が落ち着くため、見積もり交渉が通りやすく、割引率も高いです。もし可能であれば、繁忙期を避けて「オフシーズンに引越し日をずらす」だけでも、数万円の節約効果があります。
③ 不用品を減らす
荷物の量は料金に直結します。
特に単身パックやミニ引越し便は体積制限や段ボール数で料金が決まるため、不要な家具や家電を処分するだけで、料金が5〜8%(1〜2万円)下がることもあります。
使っていない家電はリユースショップやフリマアプリで売却すれば、節約+現金化の一石二鳥です。
④ 相見積もりをそのまま交渉材料に使う
引越し業者は、他社と競合していることを知ると価格を下げやすくなります。
見積もり結果をもとに、「他社では同条件で〇万円でした」と具体的な金額を伝えるだけで、追加割引やサービス特典を提案してくれることも。
相見積もりは単なる比較ではなく、値下げ交渉の“武器”として活用するのがポイントです。
⑤ 即決割・ネット割を併用
一括見積もりサイトや業者の公式ページでは、「即決割」「早割」「ネット申込割」などのキャンペーンが頻繁に実施されています。
条件を満たすと、5,000〜20,000円の割引や段ボール無料提供などの特典が付く場合も。
見積もりを比較したうえで、「割引キャンペーンを併用できる業者」を選ぶと、最安ルートを確実に抑えられます。
⑤ 家賃・光熱費を見直して月々の負担を軽減する
一人暮らしの生活費の中で、最も家計を圧迫するのが固定費(家賃・光熱費・通信費)です。これらは一度契約すると見直す機会が少ないため、気づかないうちに高コストになりがち。
しかし、住む場所の選び方・プランの見直し・契約の切り替えによって、月々の支出を5,000円〜1万円、年間で10万円以上節約できることも十分可能です。
家賃を抑える3つのコツ
① 家賃は「手取りの30%以内」が理想
たとえば手取り20万円なら家賃6万円以内が目安。
無理に高い部屋を選ぶと、生活費や貯金に回せる余裕がなくなります。
② 立地条件を少し変えるだけで1〜2万円安くできる
同じエリアでも、「駅徒歩10分圏内 → 15分」にするだけで家賃が下がる傾向があります。
また、築年数を5〜10年古くするだけでも月5,000〜1万円の差が出るケースも多いです。
③ 管理費・共益費込みの総額で比較する
家賃が安くても、管理費が高いとトータルでは損。
「家賃+管理費の合計」で比較すると、より実質的な安さが見えてきます。
光熱費を見直すコツ|小さな工夫でコストダウン
家賃・光熱費・通信費は「一度見直せば、毎月効果が続く」コスパ最強の節約項目です。
光熱費はセット割と省エネで月1,000〜3,000円削減も目指せますし、携帯も格安SIM・不要サブスクの整理で月5,000円前後節約にもなります。
① 電気・ガスのセット割を活用
東京電力・大阪ガスなどの大手会社では、電気とガスをまとめるだけで月500〜1,000円の割引+ポイント還元を受けられます。
② プランの最適化
使用量が少ない一人暮らしなら「基本料金が安いプラン」がお得。契約アンペア数を下げるだけで、月300〜500円の節約に。
③ 省エネ家電への買い替え
冷蔵庫や照明を省エネタイプに変えると、年間3,000〜5,000円の電気代節約が期待できます。
④ 季節ごとの使い方を工夫
冬場はエアコンと電気ストーブの併用を避け、サーキュレーターや加湿器で効率的に暖める。夏は冷房を28℃設定+サーキュレーター併用で月1,000円以上節約できます。
まとめ
一人暮らしを始めるとき、最初に大きな壁となるのが「お金の問題」。
賃貸契約の初期費用・家具家電の購入費・引越し費用・生活費など、トータルで見れば50万〜70万円ほどかかるケースもあります。
しかし、支出の構造を理解して“正しく節約”すれば、初期費用を半分に・生活コストを年間10万円以上削減することも十分可能です。
節約と聞くと我慢のイメージがありますが、
一人暮らしの節約は「比較すること」「見直すこと」がすべてです。
- 不動産サイトで「敷金礼金ゼロ」「仲介手数料半額」など条件を比較
- 家具家電は「新品・中古・レンタル」を見比べて自分に合う選択を
- 引越し費用は一括見積もりで複数社の価格を比較
- 光熱費や通信費はプラン変更で固定費を見直す
この“選び方の工夫”だけで、支出を大きく減らして快適な新生活が実現します。
是非、参考にしてくださいね。










