一人暮らしの家賃相場は、住む地域や駅からの距離、築年数、間取りによって大きく異なります。
一般的な家賃の目安は、地方なら3〜5万円台、首都圏では6〜8万円台が中心です。ただし、東京都内の23区エリアでは平均相場がさらに高く、ワンルームや1Kでも7〜9万円台、人気エリアでは10万円を超えることも珍しくありません。
駅近・築浅・セキュリティ付きの物件を選ぶと費用は上がりやすいため、通勤時間や生活コストとのバランスを考えてエリアを検討することが大切。初期費用だけでなく、毎月の固定費として生活全体の支出に直結する重要なポイントです。
この記事では、主要エリア別・間取り別の家賃相場のシミュレーションを紹介し、さらに家賃を安く抑えるコツや節約のポイントも解説します。
予算に合った住まい選びをすることで、ムリのない賃貸契約と生活費管理が可能になります。
手取り額に対する家賃の目安と理想の割合は?
| 手取り月収 | 家賃の目安(25%) | 家賃の目安(30%) | アドバイス |
|---|---|---|---|
| 13万円 | 約3.2万円 | 約3.9万円 | 築年数や駅距離を妥協すればワンルーム可 |
| 15万円 | 約3.7万円 | 約4.5万円 | 郊外やシェアハウスを検討すると節約可能 |
| 18万円 | 約4.5万円 | 約5.4万円 | 1K・築浅も選択肢に。交通費とのバランス重視 |
| 20万円 | 約5.0万円 | 約6.0万円 | 家賃を抑えれば貯金・娯楽費も確保できる |
| 25万円 | 約6.2万円 | 約7.5万円 | 築年数・立地条件を優先しても余裕あり |
| 30万円 | 約7.5万円 | 約9.0万円 | 設備・立地重視でも生活費を圧迫しにくい |
「毎月の家賃はいくらまでが理想?」と悩む人も多いでしょう。
一般的に、家賃は手取り月収の25〜30%以内に抑えるのが理想的とされています。
この範囲を超えると、生活費や貯金、趣味などに使えるお金が減り、日常生活に余裕がなくなるケースが少なくありません。
たとえば、手取り15万円なら家賃の目安は3.5〜4.5万円前後、手取り20万円なら5〜6万円前後、25万円なら6〜7万円台が妥当といえます。
地域別の一人暮らし用賃貸の家賃相場(ワンルーム)
ここからは、地域別でみる一人暮らしや単身者向けのワンルームの家賃相場を比較していきます。ワンルームの家賃相場は、都市や地域によって大きく異なります。
ここでは、東京・神奈川・大阪・名古屋・地方都市など、主要地域ごとの最新のワンルーム賃貸相場と傾向を詳しく比較し、「どの地域なら家賃を安く抑えられるか」「人気エリアの現実的な相場」をわかりやすく解説します。
| 地域 | 家賃相場 | 相場の特徴 |
|---|---|---|
| 東京都(23区内) | 8〜10万円台(港区・渋谷区は11万円前後) | 築浅・駅近は10万円超が主流。板橋区・葛飾区などは7万円台も。 |
| 東京都23区外(多摩地域) | 6〜8万円台 | 三鷹・立川・調布・八王子など。都心より2〜3万円安いが人気駅は上昇傾向。 |
| 神奈川県(横浜・川崎中心) | 6.5〜8.5万円台 | 川崎市・横浜中区・中原区は23区並み。相模原・厚木は5.5万円前後。 |
| 大阪府 | 5〜7万円台 | 中心部6〜7万円、郊外は5万円前後。新大阪や江坂など人気沿線は上昇中 |
| 愛知県(名古屋市) | 4.5〜6.5万円台 | 中区・東区は6万円台、郊外4万円台後半。 |
| 福岡・札幌・仙台など主要地方都市 | 4.5〜5.5万円台 | 博多・中央区・大通などは5万円超が主流 |
東京都23区内 ― 平均8〜10万円台、都心部は11万円超も
東京23区内の一人暮らし向け家賃は、全国で最も高い水準です。
2025年現在、平均は8.5万円前後、人気エリア(港区・渋谷区・中央区)では10〜11万円台が主流。
一方、板橋区・葛飾区・足立区などでは7万円台からも探せます。
家賃上昇の要因は、再開発による新築・築浅物件の増加と、単身世帯の需要拡大。
節約したい場合は、築年数10年以上・徒歩10分以上・北区・練馬区などを狙うと家賃を1〜2万円抑えられます。また、礼金ゼロ物件やフリーレント物件も23区内では増加傾向です。
東京都23区外(多摩地域) ― 平均6〜8万円台、通勤バランス重視の人気エリア
23区外(多摩地域)は、23区内より平均家賃が約2〜3万円安いのが特徴。
三鷹市・調布市・立川市・府中市などはアクセスも良く、6〜8万円台で築浅物件も見つかります。
ただし、人気駅(吉祥寺・立川・国分寺)は家賃が上昇傾向にあり、23区並みの7〜8万円台も珍しくありません。
節約重視なら、八王子・日野・東村山・多摩センターなどを検討するとよいでしょう。
通勤時間が長くなる分、家賃と交通費のバランスをシミュレーションして選ぶのがポイントです。

神奈川県(横浜・川崎中心) ― 平均6.5〜8.5万円、都心直結エリアは高水準
神奈川県はエリアによる差が非常に大きく、横浜市中区・西区・川崎市中原区(武蔵小杉など)では家賃7.5〜9万円前後と、23区とほぼ同水準。
一方で、相模原・厚木・藤沢西部などは5〜6万円台と比較的リーズナブルです。
特に東急東横線・JR南武線沿線は都心アクセスが良く人気ですが、その分家賃は高め。
節約するなら、相鉄線沿線や京急線の下町エリアを狙うのがおすすめ。
また、神奈川は海沿いエリアの物件需要上昇で平均家賃も年々上昇中です。
大阪府 ― 平均5〜7万円台、中心部と郊外の差が大きい
大阪府の一人暮らし家賃は、東京・神奈川より1〜2万円安い水準。
大阪市中央区・北区・西区などは6〜7万円台が相場で、人気エリアでは8万円近くになることも。
一方で、東淀川区・住之江区・堺市・吹田市など郊外では4.5〜5.5万円台で探せます。
大阪は交通網が発達しているため、中心地から15〜20分離れただけで家賃が1万円下がるのが特徴。節約したい人は、新大阪〜江坂・天王寺〜阿倍野・京橋周辺が狙い目です。
愛知県(名古屋市) ― 平均4.5〜6.5万円、中心部と郊外で2万円差
名古屋市は全国的に見ても家賃が比較的安く、中区・東区・千種区の中心部で5.5〜6.5万円台。緑区・守山区・中川区など郊外では4〜5万円台が中心です。
地下鉄東山線・桜通線沿線など利便性の高いエリアは上昇傾向ですが、
築年数10年以上・駅徒歩10分以上の物件なら5万円以下もまだ多く見つかります。
初期費用を安く抑えたいなら、1R・木造・築古リノベーション物件も人気です。
地方主要都市(福岡・札幌・仙台など) ― 平均4.5〜5.5万円、中心部需要が急上昇
地方の主要都市では、福岡市・札幌市・仙台市などが単身者人気の高いエリア。
中心部(天神・博多・大通・仙台駅周辺)では5万円前後、郊外では3.5〜4.5万円台。
特に福岡市中央区・博多区は物価上昇の影響で家賃も上昇中。
他都市と比べても、アクセスの良いエリアの上昇率が高く、供給が追いついていない傾向があります。地方でも「中心地=高額」「郊外=割安」の差が広がりつつあります。
地方郊外・中小都市 ― 平均3〜4.5万円、安さと引き換えに生活コスト増
地方の郊外・中小都市(山梨・岐阜・長野・鳥取など)では、3〜4.5万円台が一般的。
家賃は安い反面、車通勤・光熱費・ガソリン代がかかるため、トータルの生活費で見ると都市部との差は縮まります。
また、物件数が少なく選択肢が限られるため、築年数・立地を妥協せざるを得ないケースも。「家賃は安い=生活全体が安い」とは限らないため、総合的なシミュレーションが必要です。
間取り別に見る一人暮らしの家賃目安【1R・1K・1DK・1LDK】
同じ地域でも、間取りによって家賃相場は大きく変わります。
一人暮らしに人気の間取りは、1R(ワンルーム)・1K・1DK・1LDKの4タイプ。
それぞれの特徴や相場を把握しておくことで、生活スタイルや予算に合った部屋選びがしやすくなります。
以下では、主要都市(東京・神奈川・大阪・名古屋・地方)の間取り別家賃の目安を表で整理しました。
| 間取りタイプ | 東京23区内 | 神奈川県 | 大阪府 | 名古屋市 | 地方都市 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1R(ワンルーム) | 7.5〜9万円 | 6〜8万円 | 4.5〜6万円 | 4.5〜6万円 | 3.5〜5万円 |
| 1K | 8〜10万円 | 6.5〜8.5万円 | 5〜6.5万円 | 4.5〜6万円 | 4〜5.5万円 |
| 1DK | 9〜11万円 | 7〜9万円 | 5.5〜7万円 | 5〜6.5万円 | 4.5〜6万円 |
| 1LDK | 10〜13万円 | 8〜10万円 | 6〜8万円 | 5.5〜7万円 | 5〜6.5万円 |
間取りごとの傾向と選び方
1R(ワンルーム):最もシンプルで家賃が安い間取り。
キッチンと部屋が一体化しており、水道・光熱費も抑えやすいのがメリットです。
ただし、料理や来客が多い人には狭く感じることも。
「とにかく家賃を安く抑えたい」人に最適です。
1K:一人暮らしの王道間取り
居室とキッチンが分かれているため、生活空間を分けやすく清潔感も保ちやすい。
ただし、駅近・築浅・オートロック付きだと家賃は高め。
利便性重視なら1K、節約重視なら1Rが目安です。
1DK:料理や食事スペースをしっかり取りたい人向け
ワンルームより広く、家具配置にも余裕があります。
近年は在宅ワーク需要で人気が再上昇。
1人でもゆとりある暮らしをしたい人や二人入居予定の人におすすめです。
1LDK:一人暮らしでも快適さと収納力を重視したい人向け
広さは40㎡前後で、家賃は高めですが、在宅ワークや趣味のスペースを確保できます。
最近では同棲やリモートワーカーの入居が増加し、物件の競争率も上昇中です。
まとめ
一人暮らしの家賃を決めるうえで大切なのは、「いくらの家賃なら自分の生活が成り立つか」を現実的に考えることです。家賃が高くても生活にゆとりがなければ意味がありません。
反対に、安さだけで選ぶと、通勤負担や生活環境に不満を抱くこともあります。
地域・収入・間取り・ライフスタイルのバランスを取りながら、
自分にとって“ちょうどいい暮らし”を見つけることが理想の部屋探しの第一歩です。










