引越し費用や賃貸契約時にかかる初期費用は、「何月に引越すか」で大きく変わります。
特に1〜3月は繁忙期のピークであり、家賃・敷金礼金・引っ越し業者の見積もりすべてが高騰しやすい一方、6月・10月などは閑散期となるため、費用を抑えやすいタイミングです。
以下では、各月の特徴を踏まえて、引っ越し時期を選ぶ際の参考になる情報を解説していきます。
| 引越し費用 | 家賃 | 初期費用 | |
|---|---|---|---|
| 1〜3月 | 単身:4〜8万円 ファミリー:12〜30万円以上になることも | 物件が豊富に出るが高めに設定されている傾向 | 敷金・礼金が「家賃2ヶ月分以上」になることも |
| 4〜6月 | 単身:2.5〜5万円 ファミリー:8〜20万円 | 相場がやや下がる傾向 | キャンペーンや仲介手数料割引も多い |
| 7〜8月 | 単身:4.3〜6万円 ファミリー:10〜20万円 | 不動産会社によっては、キャンペーンを実施しているケースも多く好条件で契約できる可能性あり | 割引物件が増えるが内見がしにくい |
| 9〜11月 | 単身:4.3〜6万円 ファミリー:10〜20万円 | 10月〜11月は、家賃交渉やフリーレントなどの条件緩和が進みやすい時期 | 10月にフリーレントなど交渉しやすくなる |
| 12月 | 単身:4.5〜6万円 ファミリー:10〜18万円 | 家賃交渉の余地が広がりやすい傾向 | 初期費用の軽減キャンペーン(礼金ゼロ・仲介手数料割引など)も出やすい |
【1〜3月】繁忙期で物件探しも引越し料金もピーク!
1月から3月にかけては、1年の中でも最も引越し件数が集中する繁忙期です。
大学への進学や就職、転勤などによって、単身者からファミリー層まで一斉に動くタイミングとなるため、物件探しも引越し業者の予約も非常に混雑します。
【1〜3月】引越し費用の目安(単身者・ファミリー)
| 世帯構成 | 費用相場(近距離〜中距離) |
|---|---|
| 単身者 | 約4万〜8万円(遠距離は10万円超も) |
| ファミリー(4人家族) | 約12万〜30万円(遠距離は40万円超も) |
業者の午前枠や土日祝日の枠は早期に埋まりやすく、料金も通常期の1.5〜2倍に跳ね上がることがあります。
特にファミリーの場合、荷物量の多さ・トラック台数の増加・養生・大型家具の取り扱いなどで基本料金が高くなりやすいため、繁忙期の見積もりでは30万円を超えるケースも珍しくありません。
【1〜3月】家賃・初期費用の傾向(単身者・ファミリー)
1〜3月は新着物件が豊富に出る反面、家賃相場はやや高めに設定される傾向があります。
賃貸市場では「需要が高い時期=強気の家賃設定」がされやすく、値下げ交渉が通りにくいのが実情です。
初期費用についても、敷金・礼金が家賃の2ヶ月分以上になるケースや、仲介手数料・鍵交換費・保証料などがすべて上乗せされるため、「家賃6ヶ月分以上」が初期費用として必要になることもあります。
【1月〜3月】この時期の特徴と注意点
内見から契約までのスピード感が非常に早いため、「じっくり選びたい人」にとっては不向きな時期となります。
条件の良い物件は即日で埋まることもあるため、迷っているうちに候補が消えるリスクが高いです。
引っ越し業者選びも同様で、相見積もりをとる時間が取れないまま、割高なプランを契約してしまうケースも少なくありません。
特に2月下旬〜3月中旬はピークを迎えるため、「1月中〜2月上旬の引越し」なら、まだ費用を抑えられる可能性があります。
【4〜6月】落ち着いた時期で安く引っ越しやすい
1〜3月の繁忙期が過ぎ、4月中旬を過ぎる頃から、引越し市場は徐々に落ち着いてきます。
この時期は「引越しのオフシーズンの入り口」とも言われており、業者の予約が取りやすく、料金も抑えやすいというメリットがあります。
【4〜6月】引越し費用の目安(単身者・ファミリー)
| 世帯構成 | 費用相場(近距離〜中距離) |
|---|---|
| 単身者 | 約3.5万〜6万円(距離や荷物量により変動) |
| ファミリー(4人家族) | 約9万〜20万円(遠距離は25万円超も) |
特に6月は引越し件数が少なく、相場が大きく下がるタイミング。
一部の引越業者では、閑散期割引やWEB限定キャンペーンなども実施されており、条件次第では通常期よりも数万円以上安くなるケースもあります。
単身者にとっては、トラックや作業員の手配がスムーズで、午後便やフリー便の価格交渉もしやすい時期です。ファミリー層でも、平日や午後指定で引越しプランを組めば、繁忙期と比べて10万円以上安く済むこともあります。
【4〜6月】家賃・初期費用の傾向(単身者・ファミリー)
賃貸市場では、3月で出そろった物件の“残り”が多く、交渉しやすい時期でもあります。
オーナー側としては「長期空室を避けたい」ため、家賃の値下げやフリーレント(家賃1ヶ月無料)などの交渉がしやすい傾向にあります。
初期費用もやや抑えやすく、仲介手数料の半額キャンペーンや、礼金ゼロ物件が増えるのもこの時期です。
【4〜6月】この時期の特徴と注意点
新社会人や新入生がすでに入居を終えた後のタイミングになるため、物件探しにじっくり時間をかけられる点は大きなメリット。
4月下旬〜5月の連休明けは、急な転勤やライフスタイル変更による「掘り出し物物件」が出てくるチャンスでもあります。
ただし6月は梅雨の時期と重なるため、引っ越し当日の天候リスクを考慮して、養生対策や濡れて困る荷物の梱包に工夫が必要です。
【7〜8月】人によっては避けたい時期|暑さ・台風・混雑リスクに注意
7〜8月は、年間を通じてみれば比較的落ち着いた時期に分類されるものの、「お盆休みを利用した引越し」「夏季転勤に伴う移動」が一定数あり、日程によっては料金が高騰することがあります。
さらに、真夏の酷暑や台風リスクなど、天候に左右されやすい点もこの時期ならではの注意点です。
【7〜8月】引越し費用の目安(単身者・ファミリー)
| 世帯構成 | 費用相場(近距離〜中距離) |
|---|---|
| 単身者 | 約4.3万〜6万円(距離や荷物量により変動) |
| ファミリー(4人家族) | 約10万〜20万円(遠距離は25万円超も) |
この時期は、春の繁忙期が過ぎて落ち着いている反面、連休や夏季休暇に合わせた引越希望が一定数あるため、希望日によって価格差が大きくなります。
とくにお盆前後は、スケジュールが集中しやすく、通常より高めの見積もりになることも。
【7〜8月】家賃・初期費用の傾向(単身者・ファミリー)
春から残っていた空室が家賃を見直して再募集されることもあり、家賃交渉や初期費用の軽減がしやすい時期といえます。
不動産会社によっては、礼金ゼロやフリーレントなどのキャンペーンを実施しているケースも多いため、上手に探せば好条件で契約できる可能性も。
【7〜8月】この時期の特徴と注意点
引越し業者の稼働状況に余裕がある日程を選べば、閑散期価格に近い料金で引っ越しが可能。
不動産の動きが落ち着くため、内見や交渉にじっくり時間をかけられるというメリットがありますが、一方で暑さによる作業負担や体調管理への配慮が必要な時期でもあります。
さらに、台風・豪雨の影響を受けやすい地域では、スケジュールの急な変更の可能性も視野にいれつつ業者と相談するのがよいでしょう。
夏季休暇と引っ越しが重なると、特定日だけ費用が跳ね上がるケースもあるので、早めの計画が重要です。
【9〜11月】“第二の繁忙期”の入口と秋の穴場シーズン|時期によっては大きく安く!
秋は、1年のなかでも比較的引越しが落ち着く時期とされがちですが、実際には9月を中心に「第二の繁忙期」として需要が高まる傾向があります。特に企業の人事異動や転勤、進学準備での下見引越しなど、引越し需要が局所的に集中するため、9月の中旬以降はやや混雑気味になる可能性があります。
一方、10月・11月に入ると再び落ち着きを取り戻し、年間でもっとも費用を抑えやすいタイミングの一つとなります。
【9〜11月】引越し費用の目安(単身者・ファミリー)
| 世帯構成 | 費用相場(近距離〜中距離) |
|---|---|
| 単身者 | 約4.3万〜6万円(距離や荷物量により変動) |
| ファミリー(4人家族) | 約10万〜20万円(遠距離は25万円超も) |
9月の下旬〜10月上旬は、人事異動にともなう引越し希望者が増えるため、希望日時が集中しやすく、価格もやや高めになる傾向があります。
10月下旬〜11月にかけては、閑散期価格に近い割安な料金設定になることも多く、狙い目のタイミングです。
【9〜11月】家賃・初期費用の傾向(単身者・ファミリー)
賃貸市場でも、9月は転勤による退去が増える影響で、新規募集物件が多く出回るタイミング。ただし、その分競合も多く、人気エリアや条件の良い物件はすぐに埋まってしまう可能性があります。
10月〜11月は、不動産会社やオーナー側も「年内に決めたい」という意識が強くなるため、家賃交渉やフリーレントなどの条件緩和が進みやすい時期です。
【9〜11月】この時期の特徴と注意点
中旬〜下旬にかけて引越し件数がやや増加し、料金が変動しやすい時期となります。特に9月は転勤・異動にともなう契約が多く、良物件はスピード勝負になりやすく第二の繁忙期と言われています。
この時期は、気候も安定し、引っ越し作業がしやすい快適なシーズンです。
土日祝やシルバーウィーク期間は予約が集中するため、引っ越し業者の費用は高くなることもあります。
10月に入ると、業者・不動産会社ともに柔軟に対応してもらいやすく、条件交渉の余地が大きい時期となります。特に11月は1年を通じても最も費用を抑えやすいタイミングのひとつの穴場の時期です。
【12月】年末はおすすめの引越しタイミング?|狙い目だけど注意も必要な時期
12月は年間のなかでもやや特殊な位置づけにある月です。
年内中に引っ越しや新生活の準備を終えたい人が一定数いる一方で、年末年始を避けたいという層も多く、全体的には需要が落ち着きがち。
そのため、上旬〜中旬にかけては “閑散期寄りの狙い目”として捉えられることも多いです。
一方、下旬に差し掛かると企業の冬季休暇・大掃除・帰省などとタイミングが重なり、引っ越し業者の稼働スケジュールが圧迫されやすくなるため、希望日によっては費用が上がる可能性もあります。
【12月】引越し費用の目安(単身者・ファミリー)
| 世帯構成 | 費用相場(近距離〜中距離) |
|---|---|
| 単身者 | 約4.5万〜6万円(12月上旬はやや安め) |
| ファミリー(4人家族) | 約10万〜18万円(日程・距離により変動) |
12月上旬〜中旬は、繁忙期前の落ち着いたタイミングであり、フリー便や午後便を使えば比較的安価に抑えることが可能です。
ただし、12月下旬(クリスマス〜年末)は要注意。作業員の確保が難しくなるため、業者によっては割増料金を提示するケースも見られます。
【12月】家賃・初期費用の傾向(単身者・ファミリー)
年末に向けて、不動産会社・管理会社は「年内契約で空室を減らしたい」意向が強くなり、家賃交渉の余地が広がりやすい傾向があります。
初期費用の軽減キャンペーン(礼金ゼロ・仲介手数料割引など)も出やすく、「出費を抑えて早く引っ越したい」という方には好機です。
一方で、「翌年の1月入居希望」の問い合わせも増えてくるため、12月中の契約を急がされるケースもあるので、落ち着いて条件を見極めることが大切です。
【12月】この時期の特徴と注意点
上旬〜中旬の引っ越しなら比較的安価に抑えやすく、不動産会社も「今年中に決めたい」ため、家賃交渉や特典付き契約がしやすい時期となります。
一方で、12月下旬は混雑&業者の年内対応締切に注意。
天候が崩れやすく、雪や寒波による作業遅延・交通トラブルのリスクがあります。(特に中〜北日本)。年末年始の休業期間を挟むため、役所・ライフライン関係の手続きは早めに行うことが必要です。
まとめ
引越し時の負担を大きく左右するのが「家賃」や「初期費用」。
ここでは1年を通して、どの月に引越すと家賃が高くなりやすいのか、反対に交渉がしやすい時期はいつなのかを時期ごとに詳しく解説しました。これから引越を予定している方は、ぜひ計画を立てる参考にしてください。










