一人暮らしの引越しは、やるべき手続きや荷造り、住所の変更など、やることがとにかく多く、特に初めての方にとっては何から始めるべきか迷ってしまうものです。
とくに賃貸契約やライフライン(電気・ガス・水道・インターネット)の契約や解約といった行政・インフラ関連の手続きは、役所や会社、各サービスへの提出書類や連絡が必要になるため、忘れたり漏れたりするとトラブルになることもあります。
では一体、引越しの準備はいつから始めるべきなのでしょうか?
多くの引越し業者は、1カ月前からの計画的なスケジュール管理を推奨しています。
特に市区町村への転出届・転入届、住民票の異動、マイナンバーカードや運転免許証の住所変更は14日以内など期限があるため、早めの準備が重要です。
本記事では、引越し当日までに必要なやることリストを「1カ月前」「1週間前」「前日」「当日」「引越し後」というタイミングごとに整理し、チェックリスト形式でわかりやすく解説しています。
また、荷物の梱包や家電・家具の搬出入、インフラの停止・開始手続き、近隣住民への挨拶など、新生活を快適にスタートするためのポイントも余さずご紹介します。
これから一人暮らしを始める方、引越し準備に不安がある方は、この記事を読めばスムーズに全体の流れが把握でき、安心して新たな生活を迎えられるはずです。
引っ越し1ヵ月前までにやることリスト
引越し日の1カ月前から、計画的に準備を進めることで、後のトラブルや手続きの漏れを防ぐことができます。
このタイミングで行うべき主な項目は、以下のとおりです。
【やることリスト一覧表】
| 新居に関する手続き | 新居の賃貸契約を締結して初期費用を支払う | |
|---|---|---|
| 新居の駐車場を契約する | ||
| 家具・家電のレイアウトやサイズ確認 | ||
| 通信系(インターネット・固定電話・NHK・ケーブルTV)の移転の手配をする | ||
| 退去・引越し準備の手続き | 引っ越し業者に見積もりをとる | |
| 引越し業者と引越し日を決定する | ||
| 旧居の管理会社に退去の連絡をする | ||
| 旧居の駐車場を解約する | ||
| 転居ハガキを作成する | ||
| 荷造り・物品の準備 | 梱包資材の準備(ダンボール・ガムテープなど) | |
| 掃除用具・梱包用品の準備(ハサミ・マジック・軍手など) | ||
| 不用品を売る | ||
| 粗大ゴミの収集を依頼する | ||
| 荷物の仕分け・荷造りを開始 | ||
新居の賃貸契約を締結して初期費用を支払う
理想の住まいを見つけられたら、賃貸借契約を締結します。
賃貸借契約書には特約事項が記載されているため、必ず目を通しておきましょう。
契約書の内容(家賃、契約期間、更新料など)や提出が必要な書類(本人確認書類や住民票など)は、不動産会社の指示に従って揃えておきます。
ただし、入居日の決定はちょっと待ってください!
引っ越し業者の見積もりを出し、料金が安い日程を選んでから入居日を決めるほうがお得です。
新居の駐車場を契約する
部屋の賃貸契約の際に忘れてはいけないのが、駐車場の契約。
物件についている場合は不動産会社の方が先に教えてくれますが、そうではなく別の場所を契約しなければならない場合、早めに探して決めておかなければかなり不便なことになってしまいます。
とくに4月など引っ越しの多いシーズンは駐車場も埋まりやすいため、注意が必要となります。車も移動したけれど保管する場所がない、という状況は絶対におこらないようにしましょう。
家具・家電のレイアウトやサイズ確認

引越し後すぐに生活を始めるために、家具や家電のレイアウトを事前に考えておくと安心です。冷蔵庫・洗濯機・ベッドなどのサイズを測り、搬入経路も確認しておきましょう。
通信系(インターネット・固定電話・NHK・ケーブルTV)の移転の手配をする
インターネットや固定電話、NHK、ケーブルテレビなどの契約は、住所変更や解約・移転手続きが必要です。とくにネット回線は回線工事の関係で2週間以上かかる場合もあるため、早めの連絡をおすすめします。
引っ越し業者に見積もりをとる
引越しの費用は業者やプランによって大きく異なります。
単身引越しの場合も、荷物の量や移動距離で料金やサービス内容が変わるため、複数社から相見積もりをとるのがおすすめです。
無料で比較できる一括見積もりサイトもありますが、複数の営業電話がかかってくるなどのデメリットもあるので、注意が必要です。
引越し業者と引越し日を決定する
見積もりの比較が済んだら、サービス内容や価格、日程の都合をもとに引越し業者を決定しましょう。
繁忙期(3〜4月)や土日・祝日、午前中は料金が高くなる傾向があるため、安く済ませたい場合は平日や午後便も検討してみてください。
旧居の管理会社に退去の連絡をする(車を所有している場合は駐車場も)
賃貸住宅では、通常「1ヵ月前までに退去通知」が必要です。
遅れると家賃が余分にかかってしまう可能性があるため、引越し日が決まったらすぐに管理会社へ連絡を入れましょう。
車を所有している方は、駐車場の解約手続きも忘れずに。
使っていなくても自動で更新されてしまう契約が多いため、解約連絡を早めに入れることが重要です。
転居ハガキを作成する
親戚・友人・職場・取引先などへ引越しの案内を出す場合、転居ハガキの準備を始めておくと安心です。
近年はメールやLINEで済ませるケースも多いですが、ビジネス関係や目上の方にはハガキでの挨拶が丁寧です。
梱包資材の準備(ダンボール・ガムテープなど)

引越しでは大量のダンボールやガムテープが必要になります。
引越し業者が無料で資材を提供してくれるサービスもあるため、まずは確認を。
足りない場合は、ホームセンターや通販サイトで早めに用意しておくと安心です。
掃除用具・梱包用品の準備(ハサミ・マジック・軍手など)
ハサミ・マジック・軍手・雑巾などの梱包用・掃除用アイテムも準備しておきましょう。
段ボールには中身や使用場所を書いておくことで、搬入時や開封後の作業がスムーズになります。
不用品を売る
引越しのタイミングで、使わなくなった家電や家具、洋服などを整理・売却するのがおすすめです。
フリマアプリやリサイクルショップを活用すれば処分費用の節約にもつながります。
ただし、引取や発送に時間がかかる場合があるため、なるべく2〜3週間前には行動を始めましょう。
粗大ゴミの収集を依頼する
ソファやマットレス、棚、冷蔵庫などの大型家具・家電は、自治体の粗大ゴミ回収を利用する必要があります。
回収予約は希望日が埋まりやすいため、引越し日が決まり次第すぐに手配を。
また、地域ごとに申し込み方法や料金、処理券の購入方法が異なるため、必ず公式サイトで確認しておきましょう。
荷物の仕分け・荷造りを開始
梱包資材の準備ができたら、使わないものから順に荷造りを始めます。
「すぐ使うもの」「引越し当日に使うもの」などカテゴリごとに分けておくと整理しやすくなります。
重いものは小さい段ボール、軽いものは大きい段ボールに入れるのが荷造りの基本です。
引っ越し1週間前までにやることリスト
引越し日が近づく1週間前は、ライフラインの使用開始手続きや転居届の提出など、一人暮らしの引越しに欠かせない細かな行政手続きや確認事項が増えてきます。
特に、住民票の移動や保険・運転免許証の住所変更、郵便物の転送設定、荷造りの仕上げといった作業は、直前になると抜け漏れが起きやすいポイントです。
ここでは、引越し1週間前までにやっておくべきことを時系列で整理しています。
重要な準備や手続きのタイミングを逃さないためのチェックリストとして活用し、新居での生活を安心してスタートできるようにしましょう。
【やることリスト一覧表】
| 新居に関する手続き | 新居のライフラインの使用開始手続きを行う | |
|---|---|---|
| 新居の下見とレイアウトを考える | ||
| 退去・引越し準備の手続き | 転居届を提出する | |
| 国民健康保険の資格喪失手続きを行う | ||
| 印鑑登録廃止届を提出する | ||
| ライフライン契約変更手続き | ||
| 携帯電話の住所変更 | ||
| 原動機付き自転車(125cc以下)の廃車申告 | ||
| 郵便局への転送手続き | ||
| 銀行・保険などの住所変更 | ||
| 荷造り・物品の準備 | 生活に必要なもの以外荷造りを終わらせる | |
ライフラインの使用開始手続きを行う

新居で快適に暮らすためには、電気・ガス・水道の使用開始手続きを引越し前に済ませておく必要があります。手続きは各サービス会社の公式サイトや電話で申し込むことができ、多くの場合、引越し予定日の数日前までに連絡すれば対応してもらえます。
特にガスの開栓には立ち会いが必要な場合が多いため、必ず事前に日時を予約しておきましょう。開栓時には安全確認のために15〜30分ほどかかるケースもあるため、当日のスケジュールには余裕を持っておくのが安心です。
電気や水道は、基本的に立ち会い不要で使用を開始できますが、ブレーカーの位置や水栓の元栓が閉まっていないかなど、現地での確認が必要です。また、使用開始日に電気が通っていない、水が出ないといったトラブルがないよう、事前に契約内容や供給開始日の確認をしておきましょう。
また、使用開始日や支払い方法(口座振替やクレジットカード払いなど)もこのタイミングで設定しておくと、引越し後の手続きがスムーズになります。
新居の下見とレイアウトを考える
家具や家電のレイアウトをスムーズに進めるためには、事前の新居の下見が非常に役立ちます。特に、大型家電や家具(冷蔵庫、洗濯機、ベッド、ソファなど)を設置する場所については、寸法と配置イメージをあらかじめ決めておくことが重要です。また、家具の搬入が可能かどうかを判断するために、玄関の幅やエレベーターのサイズ、階段の形状など搬入経路もしっかりチェックしておきましょう。
照明器具の設置箇所やカーテンのサイズ、Wi-Fiルーターの設置場所などもあわせて確認しておくと、引越し後の設置作業がスムーズになります。
転居届を提出する

住民票を置いている市区町村から、別の市区町村に引っ越す場合には、転出届の提出が必要です。転出届を提出すると、市区町村の住民基本台帳から住所が削除されます。
市役所は住民基本台帳を参考に国民健康保険税や住民税を計算しています。転出届の提出をし忘れると住民基本台帳法違反で税金過料の対象となるため、忘れずに手続きをしましょう。
持参するもの
転出届・本人確認証明書・印鑑
国民健康保険の資格喪失手続きを行う
国民健康保険料の納付先は、お住まいの住所を管轄する市役所。
従って引っ越しで住所が変更する場合は、国民健康保険の資格喪失の手続きを行う必要があります。
国民健康保険の資格喪失の手続きを忘れてしまうと健康保険が適用されなくなり、全額負担で医療を受けなければいけません。また、国民健康保険料の二重払いが発生する恐れもあるので、必ず手続きをしましょう。
持参するもの
国民健康保険証・印鑑
印鑑登録廃止届を提出する
市役所に実印登録をしている場合は、印鑑登録の抹消手続きを行う必要があります。転出届を提出すれば、印鑑登録が抹消されるため、基本的に手続きは必要ありません。
しかしそれも市役所によってそれぞれ手続き内容は異なりますので注意が必要です。地域によっては、印鑑登録証の返却を求められることもあります。そのため、市役所に手続きに行く前にどのような手続きが必要になるのかをあらかじめ確認しておきましょう。
持参するもの
印鑑登録証・実印登録の判子・本人確認書類
ライフライン契約変更手続き

現在住んでいる住居で契約している電気・ガス・水道については、引越し日に合わせて使用停止の手続きを行いましょう。各ライフラインの停止連絡は、契約している電力会社・ガス会社・水道局のWebサイトやカスタマーセンターから手続きが可能です。
停止の希望日は、引越し作業がすべて完了する当日または翌日など、余裕を持って設定しておくと安心です。ガスの停止に関しては、場合によっては立ち会いが必要になるため、事前に確認しておきましょう。
また、最後の使用分の精算方法(口座振替・コンビニ払い・クレジットカード払いなど)もこのタイミングで確認・設定しておくと、引越し後の支払い漏れを防ぐことができます。
郵送先の住所変更が必要な場合は、新居の住所を併せて届け出ておきましょう。
携帯電話の住所変更
携帯電話の会社の公式ホームページから申し込むか、電話でお問い合わせをして住所変更の手続きを行います。住所変更の手続き方法が分からない場合は、店頭窓口で相談することも可能です。
必要なもの
本人確認書類・携帯電話・暗証番号
原動機付き自転車(125cc以下)の廃車申告
原付バイクを所有している場合は、市区町村の窓口で廃車手続きを行います。ナンバープレートや標識交付証明書が必要になります
郵便局への転送手続き
旧住所宛ての郵便物を新住所に転送してもらうには、郵便局で転居届を提出する必要があります。この手続きにより、届出日から1年間にわたり、旧住所宛てのすべての郵便物が無料で新住所へ自動転送されます。
手続きは、郵便局の窓口にある転居届の用紙に記入して提出する方法と、郵便局の公式サイト(e転居)からオンラインで申し込む方法があります。本人確認のため、運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書の情報が必要になります。
手続きには数日かかることもあるため、引越しの1週間以上前には済ませておくと安心です。転送サービスが開始されるまでの間に重要な郵便物が届く可能性があるため、差出人にも新住所を直接伝えておくと確実です。
銀行・保険などの住所変更
引越し後に重要な書類や通知を確実に受け取るために、口座を持っている銀行や契約している保険会社にも忘れずに住所変更の手続きを行いましょう。手続き方法は、各社のWebサイト、スマートフォンアプリ、電話、または店舗窓口などさまざまな手段があります。
特に銀行では、口座残高やローン、クレジットカードなど複数のサービスに連携しているため、変更が必要な情報がないか確認しておくことが大切です。また、本人確認書類の提出が求められる場合もあるため、事前に必要書類を確認して準備しておくとスムーズです。
保険会社についても、医療保険・生命保険・自動車保険など契約内容によって変更手続きが必要なタイミングが異なるため、契約内容ごとに連絡先や手続き方法を調べておくと安心です。
生活に必要なもの以外荷造りを終わらせる

引越し直前はバタつきやすいため、生活に必要ない物から優先して荷造りを進めておくと後が楽になります。たとえば、季節外の衣類や使っていない調理器具、読み終えた本、装飾品や小物類、来客用の食器などは、この段階でまとめて梱包しておきましょう。
段ボールには中身が一目でわかるように「部屋名」「内容」「割れ物注意」などのラベルやメモを貼っておくと、搬出・搬入時に業者がどの部屋に運べばいいか判断しやすくなります。
さらに、「引越し当日までは使わないけれど重要なもの(書類、保証書、通帳など)」については、ひとまとめにして手元に置いておくと安心です。
引っ越し前日までにやることリスト
引越し前日は、忘れ物や抜け漏れがあると、引越し当日にバタバタしてしまったり、思わぬトラブルにつながったりすることも。
この段階では、冷蔵庫や洗濯機の水抜き、家電の梱包、業者との最終確認、近隣への挨拶や転居ハガキの発送など、やることが細かく多岐にわたります。
特に一人暮らしの場合はすべてを一人でこなす必要があるため、チェックリスト形式で一つずつ確実に済ませていくことが重要です。
新居での生活を気持ちよくスタートさせるためにも、前日までにやるべき準備をしっかり整えておきましょう。
| 新居に関する手続き | 新居の掃除をする | |
|---|---|---|
| 冷蔵庫や洗濯機の水抜きをしておく | ||
| 家電を梱包しておく | ||
| 引っ越し業者と内容の最終確認をしておく | ||
| パソコンのデータをバックアップしておく | ||
| 退去・引越し準備の手続き | 引越し挨拶用の手土産を準備しておく | |
| 転居ハガキの発送をする | ||
| 旧居の近隣住民へ挨拶をする | ||
新居の掃除をする

引っ越したばかりの部屋に気になる汚れがあると、新生活のモチベーションが落ちてしまいますよね…。
入居前に軽く掃除をしておくと、引越し当日の家具・家電の設置がスムーズになります。床や窓、収納スペースなどを重点的に確認しておきましょう。
また家具が入っていない状態で掃除をすることで、下見のときに見落としてしまった壁の傷や強い汚れに気づくことができます。退去の際の敷金トラブルをさけるためにも引っ越し前には一度、新居の掃除をしておきましょう。
冷蔵庫や洗濯機の水抜きをしておく

冷蔵庫は移動するときに機械部分に水が入りこんで故障してしまうリスクがあります。
防ぐためには、あらかじめ水抜きや霜取りをして内部に水を残さないことが重要です。引っ越し前日の午前中にはコンセントを抜いておきましょう。これにより霜が溶けて蒸発皿に水がたまり、当日までにしっかり水抜きが完了します。
また洗濯機も同様に水抜きが必要です。
メーカー・機種により水抜き方法が異なりますので詳しくはそれぞれの取扱説明書を確認してください。
家電を梱包しておく
家電に関しても本格的な梱包を始めていきましょう。
当日に使う必要のないテレビや電子レンジなどの電化製品を、引っ越しの衝撃に耐えられるように念入りに梱包します。
テレビや電子レンジなどの小型家電は、傷がつかないよう毛布や緩衝材で包んで段ボールに詰めておきます。元箱がある場合は活用すると安心です。
引っ越し業者と内容の最終確認をしておく
一般的に、引っ越し当日の2日前~前日までに業者から最終確認があることが多いです。
引っ越し日時などの確認はもちろんですが、もし見積りから変更されていることがあれば伝えてあげましょう。
もし引っ越し業者からの連絡が無い場合は、念のため自分からも確認の連絡を入れるようにしてください。
パソコンのデータをバックアップしておく

パソコンを搬出する場合は、必ずデータのバックアップを取っておくことをおすすめします。
特にデスクトップPCのようなデリケートな電子機器は、車両の揺れなどでデータが破損してしまう可能性があります。また引っ越しにともなってデータが消えてしまったとしても、保証がされているケースは多くありません。
取り返しのつかないことにならないよう、大切なデータが入ったハードディスクやSSDなどは引っ越し当日に自分のカバンに入れて移動する方が安全でしょう。
引っ越し挨拶用の手土産を準備しておく
新居でお世話になる近隣住民への挨拶準備をしましょう。
最近では、挨拶をしないという選択をする人も増えていますが、特に集合住宅では「上下左右」の住人にはできるだけ簡単な挨拶をしておくのがおすすめです。ただし、セキュリティの都合や不安がある場合は、無理に直接会う必要はありません。
手土産にメモを添えてポスト投函するだけでも印象は良くなります。
ちなみに近隣住民への挨拶にもっていく品物の平均相場は500~1,000円。日用品や消耗品、御菓子など日常生活で使用できる品物を送ると喜ばれます。
転居ハガキの発送をする
親戚・知人・会社関係者などに転居の挨拶を伝えるために、転居ハガキの準備と発送を済ませておきます。メールやSNSでの連絡も併用するとスマートです。
作成した転居ハガキはこのタイミングで発送します。
特に勤め先の上司など目上の方にはメールではなくハガキを送りましょう。
ハガキは手間や費用、時間がかかるため、丁寧で礼儀正しい印象を相手にあたえることが可能です。
旧居の近隣住民へ挨拶をする
引越し当日の騒音やトラックの出入りについて事前に伝えておくと、近隣トラブルを避けることができます。簡単な挨拶で構いませんが、丁寧な対応が好印象を与えます。
特にお世話になった方には前日ではなく、それよりも前から引っ越しのことを伝えておくべきです。
引っ越し当日にやることリスト
いよいよ迎える引越し当日。当日ならではのやることや注意点がいくつもあります。
特に一人暮らしの引越しでは、自分で全体を把握し、手際よく対応することが求められます。
この段階では、荷物の最終梱包や旧居の掃除、ガスや水道の立ち会い、鍵の返却、引越し料金の支払いなど、忘れると困るタスクが集中しています。
本リストを参考に、当日にやるべき作業をチェックしながら進めることで、安心して新生活をスタートできます。
| 退去・引越し準備の手続き | 荷物の最終梱包をする | |
|---|---|---|
| 旧居の掃除をする | ||
| 電気・ガス・水道の停止に立ち会う | ||
| 旧居の明け渡し・鍵の返却をする | ||
| 引っ越し料金の支払いをする | ||
| 新居に関する手続き | 新居へ移動する | |
| 新居の近隣住民の方へ挨拶する | ||
| 引っ越し業者へ搬入作業の指示をする | ||
| 荷物を確認する | ||
| 電気・ガス・水道の使用開始処理をする | ||
| すぐ使用する物を取り出しておく | ||
荷物の最終梱包をする
歯ブラシやタオル、ドライヤーなど、引っ越し当日に使用していたものをダンボール箱にまとめて最終的な荷造りを行い、新居ですぐに使えるようにします。
引っ越し業者がくるまでに、すべての梱包を終わらせておかなければいけません。
旧居の掃除をする

退去時のトラブルを避けるためにも、簡単な掃除をしておくことが望ましいです。床、キッチン、浴室、ベランダなどを清掃し、ゴミの最終確認も行います。
きれいな状態で退去できれば原状回復がかからず、敷金が返金されることもあり得ます。特に水回りや壁、床、窓などは汚れが目立つ場所ですので、集中して綺麗にしておきましょう。
電気・ガス・水道の停止に立ち会う
旧居を出発する前に、電気・ガス・水道の使用停止の立ち会いをします。
ライフラインの料金は引っ越し当日までかかりますので、あらかじめ頼んでおいた各会社の担当者に旧居に来てもらって、使用料を計測してもらって清算します。引っ越し業者とは新居で合流する時間を決めておき、その到着時刻には間に合うようにしましょう。
旧居の明け渡し・鍵の返却をする
賃貸管理会社の方に室内をチェックしてもらって、原状回復工事が必要であるかどうかを確認してもらいましょう。原状回復工事が必要となり手元に資金がない場合は、後日の精算も認められています。室内をチェックし終えたら、鍵を明け渡してください。
引っ越し料金の支払いをする
精算のタイミングは業者により異なりますが、作業開始前に支払いを済ませることも多いです。ほかにも振り込みで精算するケースや、後払いのケースがあります。
後払いの場合は運んでもらった荷物に問題がないかを確認してから支払いをしましょう。
新居へ移動する

電気・ガス・水道が止められているかをしっかり確認してから戸締りをして旧居を退出します。
貴重品やパソコンのデータ等、特に大切なものはこのときに自分の手で運んだほうが無難です。また引っ越し業者がくるまでに、新居に到着しておくとその後の作業がスムーズとなります。
新居の近隣住民の方へ挨拶する
可能であれば、搬入作業に入る前に近隣住民に挨拶をしましょう。
「引っ越し作業の騒音でご迷惑をおかけしてしまうかもしれません。」と引っ越し作業前に近隣住民に断っておくととても親切です。しかし時間的に間に合わない場合は後日でも構いません。
引っ越し業者へ搬入作業の指示をする
新居に到着したら、引っ越し業者に荷物を搬入してもらいます。
決めておいた新居のレイアウトを参考にして、家具や家電の配置の指示を出します。引っ越し業者が帰ったあとで家具や家電を動かすのは大変なので、必ず作業当日までに配置位置を決めておきましょう。
またダンボールの側面にどこの部屋の物であるかをメモしていると、部屋ごとに荷物を搬入してもらえます。
荷物を確認する

全ての搬入作業を終えたら、確認作業に入ります。
引っ越し業者と一緒に最終確認をする際は、荷物の紛失や破損がないかを確認してください。後日に荷物の紛失や破損が見つかった場合は、日常生活で起きたものだとみなされて補償をしてもらえません。
引越し当日に荷物の紛失や破損があった場合のみ、保険適用で補償してもらえるため、隅々までチェックをしてください。
電気・ガス・水道の使用開始処理をする
新居にて、電気・ガス・水道などライフラインの開栓を行います。電気のブレーカーを上げ、水道の元栓を開けましょう。
ガスは業者の立ち会いのもとで開栓してもらう形になりますので、事前に申し込んでおく必要があります。
すぐ使用する物を取り出しておく
引っ越しが終わって一息ついたら、可能な限りその日のうちに荷解きを始めましょう。後回しにしてしまうと、時間はすぐに過ぎてしまいます。何ヶ月たってもずっと段ボールに入ったまま使われなくなってしまうアイテムなどもでてくるかもしれません。
特に洋服やタオル、日用品などはすぐに使うものですので、優先して片付けを始めてください。
引っ越し後にやることリスト
無事に引越し当日を終えてホッとひと息―でも、実は引っ越し後にもやるべき手続きや片付け作業がたくさん残っています。
特に一人暮らしの引越しでは、誰かが代わりにやってくれることはないため、自分で一つずつチェックしていくことが大切です。
このリストを活用して、引越し後の生活がスムーズにスタートできるよう、必要な作業を計画的に進めていくことが、快適な新生活への第一歩です。
| 引越し関連 | 荷解きをして、荷物を片付ける | |
|---|---|---|
| 行政の手続き | マイナンバーの住所変更手続き | |
| 新居の転入届を提出する | ||
| 国民健康保険の住所変更・加入 | ||
| 国民年金の住所変更 | ||
| 印鑑登録の手続き | ||
| 運転免許証の住所変更 | ||
| 自動車やバイクの登録変更・車庫証明の発行 | ||
| 飼い犬の登録 | ||
| 新居に関する手続き | 勤務先へ住所変更申請 | |
| クレジットカード・銀行口座の住所変更をする | ||
荷解きをして、荷物を片付ける
生活が落ち着くまでは少し時間がかかりますが、まずは生活に必要な物から順に荷解きを進め、段ボールを減らしていきましょう。段ボールや梱包材は自治体の回収日や処分方法を確認して処分します。
荷解きの順番は新生活に必要なものから取り掛かります。ダンボールの側面に何が収納されているかをペンで書いているため、それを見ながら荷解きの優先順位を決めていきましょう。
手当たり次第に荷解きを始めてしまうと、作業効率は落ちてしまうので注意してください。また複数のダンボール箱を同時に開封する行動もNGです。一見作業効率がアップしそうに感じますが、部屋に物が溢れ返ってしまって作業効率が落ちてしまいます。
また、荷解きを後回しにしないように気を付けましょう。荷解きを後回しにすると「めんどくさい」と思ってしまうでしょう。その結果、数か月も放置していたなどの事態に発展しかねません。そのため荷解きの期限を決めて、引越しの片付けをすることが大切です。
マイナンバーの住所変更手続き

引越し後、住民票の移動とともにマイナンバーカードの住所情報も変更が必要です。市区町村の窓口で本人確認書類とカードを提示して手続きを行います。
マイナンバーカードを保有している場合は、引っ越し後14日以内に住所変更の手続きを行わなければいけません。またそれとは別に継続利用手続きというものもあり、90日以内に完了しなければマイナンバーは失効してしまうため注意してください。
各市区町村によって手続きに必要な持ち物は異なるため、あらかじめ公式ホームページを確認しておきましょう。
持参するもの
マイナンバーカード・暗証番号・本人確認書類
新居の転入届を提出する
引っ越し後14日以内に、市役所に転居届を提出する必要があります。
市役所はその転居届を参考にして、住民基本台帳カードや国民健康保険、国民年金保険の住所を変更しなければいけないからです。転居届の提出を忘れてしまうと住民基本台帳法違反で税金過料の対象となるため、必ず忘れずに手続きをしましょう。
持参するもの
住民異動届・本人確認書類(運転免許証・パスポート)・マイナンバーカード・国民健康保険証
国民健康保険の住所変更・加入

市区町村が異なる場所へ引っ越しをした場合は、国民健康保険の加入手続きをしましょう。
また、同じ市内に引っ越す場合でも住所変更手続きが必要になる場合があります。お住まいの地域の役所に一度問い合わせて確認をしておきましょう。
持参するもの
健康保険証・本人確認書類・転出証明書・印鑑
国民年金の住所変更
国民年金の住所変更も行いましょう。マイナンバーカードに基礎年金番号が紐づいている場合は、住民票を移動させるだけで国民年金の住所変更が完了します。
持参するもの
国民年金手帳・印鑑・本人確認書類
印鑑登録の手続き
印鑑登録も旧住所では無効になるため、新しい自治体で再登録が必要です。重要な契約書類に使う印鑑を登録しておきましょう。
住宅購入や遺産相続に使用する実印は、市区町村で登録をしておく必要があります。
引っ越しをしたら、住所を管轄する市役所で印鑑登録の手続きを行いましょう。
持参するもの
印鑑登録申請書・印鑑(実印)・本人確認書類
運転免許証の住所変更
引っ越し後には運転免許証の住所変更をしなければいけません。
運転免許証の住所変更は管轄地域の警察署で手続きが行えますが、大概の場合は平日のみ受付をしています。平日に手続きが行えない場合は、免許更新センターまで行って手続きを行いましょう。
持参するもの
運転免許証・印鑑・新住所の住民票または健康保険証・車検証・車庫証明
自動車やバイクの登録変更・車庫証明の発行
運転免許証の住所変更と併せて行うものが、自動車やバイクの登録住所の変更手続きです。
乗り物の種類によって窓口が異なるため気を付けてください。普通自動車であれば「運輸支局」、軽自動車であれば「軽自動車検査協会」、バイクは「市役所」となっています。
持参するもの
印鑑・車検証・車庫証明書・住民票・自賠責保険証明書・軽自動車税申告書・ナンバープレート
飼い犬の登録

狂犬病の予防という目的で、市役所では犬を飼育している方に対して犬の登録を義務付けています。登録期限は定められていませんが、速やかに手続きを行うようにしましょう。
持参するもの
登録事項変更届・狂犬病予防注射済証・印鑑
勤務先へ住所変更申請
引っ越しをしたら勤務先に住所を変更した旨を報告します。
会社によって異なりますが、総務部や人事部が担当でしょう。必要があれば申請書などが渡されるため、必要事項を記載します。社会保険の税金が関連しているだけではなく交通費の支給にも影響がでるため、引っ越しを終えたら速やかに報告するようにしましょう。
クレジットカード・銀行口座の住所変更
クレジットカードや銀行通帳の住所変更も大切です。
これらの手続きは各所の窓口だけではなく、電話やインターネットでも簡単に行えます。また公式ホームページでは住所変更手続きの申請書もダウンロードできるようになっており、必要事項を記載して郵送するだけで変更してもらえます。
まとめ
一人暮らしの引越し準備は、思っている以上にやることが多く、手続きや荷造りを後回しにしてしまうと直前で慌てることになります。
本記事では、「引越し1ヵ月前」から「当日」「引越し後」までのやることリストを時系列で整理しました。住民票の変更や転入届の提出、ライフラインの契約、郵便物の転送、マイナンバーや運転免許証の住所変更など、行政の手続きも多く、チェックリスト形式で確認しておくと安心です。
また、荷物の整理や不用品の処分、荷造り・梱包、家具家電のレイアウト確認、引越し挨拶のマナーなど、引越し前後にやるべき作業も盛りだくさん。これらを一つひとつ丁寧にチェックしながら進めることで、費用や手間を最小限に抑え、スムーズに新生活をスタートできます。
初めての引越しでも「何をいつまでにやるか」が明確になれば、不安は大きく軽減されます。
本記事の内容をもとに、自分だけの引越しチェックリストを作成して、万全の体制で新生活を迎えましょう。





